こんにちは、陽崎杜萌子(ヒザキトモコ@hizakitomoko)です。
このブログでは電子書籍の個人出版についての記事を多く更新しているのですが、Kindle関連の記事に比べて、他のストア出版の記事に関しては反応が少ない傾向があります。現時点では電子書籍の個人出版=Kindleと考えている方が多いのかもしれません。そこで今回は、マルチストア販売のメリットについて改めて考えてみたいと思います。
マルチストア販売のメリット・デメリットは?
Kindle以外の店舗で電子書籍を販売するメリットとデメリットは何でしょうか。まずはメリットについて考えてみたいと思います。
第一には、多くの人の目に触れる機会が作れるということではないでしょうか。
電子書籍といえばkindleが一番有名だと思います。とはいえ皆が皆kindleストアで購入しているとは限りません。好きな作家の本が他の店舗でしか買えなかったり、Kindle以前から別の店舗を使い続けていたりということもあります。また複数の店舗を用途によって使い分けている人もいると思います。自分の普段使っている店舗に置いてないから…という理由で購入を諦めるケースも少なくないでしょう。複数のストアに本をおけば、本をより多くの人に届ける機会を得ることができるのです。
それでは、マルチストア販売のデメリットは何でしょうか?
やはり一番のデメリットは、配信に手間がかかることです。
配信先によってそれぞれ手続きが必要ですし、ファイルも複数用意しなければいけません。その時間を創作の方に割きたいと考える方も多いと思います。
マルチストア配信作業の効率化については、別に記事に書きましたので、よろしければこちらも読んでみてください。
もうひとつのデメリットは、KindleのKDPセレクトを選択できなくなることです。
Kindle専売で本を出版すると、KDPセレクトに登録可能となり、70%のロイヤリティを獲得できるようになります。また、Kindleオーナーライブラリにも追加され、読まれた分の分配金を受け取ることができます。
KDPセレクトのメリットとマルチストア配信のメリットのどちらが大きいかは、本の内容等、個々のケースによっても違ってくると思うので、現状では判断が難しい所です。
Kindle、BOOK☆WALKER 、楽天koboの売上は?
さてここで気になる各ストアごとの売上のお話です。
私は現在主に8カ所のストアを利用していますが、そのうち規模が大きくストアの方向性の近い3店舗(Kindle、BOOK☆WALKER 、楽天kobo)について書いていきたいと思います。前作の「魔界の配達屋さん」を例に挙げますが、販売から2ヶ月程度なことと、数字があまり大きくないことから、具体的な数字は出さず抽象的な書き方になってしまいますが、ご了承ください。あくまでそれぞれのストアの傾向の違いの参考として読んでいただければ幸いです。
売上は、Kindle>BOOK☆WALKER >楽天koboの順になっています。
BOOK☆WALKERの売上はKindleの半分程度、楽天koboは現段階では売上なしとなっています。
kindle以外の店舗については、時間をかけてぽつぽつと売れればいいな位に思っていたので、BOOK☆WALKERが思いのほか売れたなというのが感想です。BOOK☆WALKERはポイント還元キャンペーン等を定期的に行っており、Twitterでもキャンペーンの案内をしてみたので、おそらくそれが影響したのではないかと思います。またBOOK☆WALKERではインディーズ作品の販売にも力を入れており、キャンペーンを行ったりしています。そういったことの影響も大きいと思います。
楽天Koboについては、ブクログのパブーが無料で配信取次をしていた期間に申し込んだ本が数冊配信されており、そちらが定期的に購入されるので、期待をしていたのですが、なぜか新刊はさっぱり動きませんでした。
どの本も作風にそれほど大きな違いはないので不思議なのですが、おそらく新刊のため、キャンペーン対象から外れているのが原因ではないかと思います。今後時間がたって、キャンペーン対象になった時にどう動くかを注目してみたいと思います。
このように、現状ではマルチストア配信した方が良い!と大きな声でいえる程ではなく、人によってはKDPセレクトの方がいいということもあると思います。
とはいえ、Kindle以外の店舗で購入してくださっている方が少なからずいらっしゃいますし、そのストアに配信していなければ出会えなかった読者もいることと思います。私としては、今後もマルチストア配信を続けていきたいと考えています。
以上、電子書籍マルチストア販売のメリットとデメリットについて書いてみました。参考になれば幸いです。
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